2026年7月13日月曜日

鬱蒼とした樹々に囲まれた箱根「ポーラ美術館」へ

 7月3日(金)、家族とともに、久々の箱根一泊ドライブ旅行へ。
まだまだ梅雨明けしない時期でしたが、何とか雨に降られることなく、正月のあの駅伝コースの坂道を楽しむ事ができました。2日間とも曇り空で、時より雨粒が顔に当たるも、傘を差すほどのことはなく幸いでした。標高が高いこともあり深い霧が樹木を覆うほどで、非日常の景色を楽しめました。

さて、今回の旅行目的の一つが「ポーラ美術館」。
何度か行く機会があったのですが、何故か後回しになり訪問できなかった場所です。
今回、希望が叶い来館してみると、これまでなぜ後回しになったかが分かった気がしました。それは、「ポーラ美術館」は箱根旅行の定番コースの1号線、138号線からはチョッと外れていて、わざわざ行かなければならない立地だったからです。

今回は、そんな「ポーラ美術館」についてのお話です。


過去の記憶が甦る企業「ポーラ化粧品」

入り口付近の様子
左端にミュージアムショップがある。


「POLA」と言えば「ポーラ化粧品」、そして私にとっての「ポーラ化粧品」は、苦い経験と楽しい思い出が併存した会社でした。

それは、かなり時代を遡ることになります。忘れもしない1975年から76年にかけての就職活動の記憶。この1975年(昭和50)は第一次オイルショックの不況の影響を受けて、大手企業をはじめ、多くの企業で軒並み採用ゼロが実施された年でした。

学業を疎かにしていた私にとっては、この状況は甚だ辛いものがあったのです。自身が目指していた企業は、殆どが採用ゼロで、出願できたのはほんの僅か。その中に、件の「ポーラ化粧品」があった訳ですが、現実はそう甘いもんではありませんでした。いい訳ではありませんが、そんな新人募集を実施する企業でも、募集定員は1名乃至2名程度で、超狭き門だったからです。



そんな苦難の時代に、某金融機関に何とか採用が決まったのは、あの時代を考えるとラッキーだったと思います。
配属が決まり、新人として担当したいくつかの企業の中に、偶然のイタズラと言うか「ポーラ化粧品」が入っていたのです。戸塚にある工場でしたが、先方の女性担当者はとても親切で、良識のある方だったので、流石「ポーラ化粧品」だと感じたのを記憶しています。


ようやく来館できた「ポーラ美術館」

そんな思い出深い「ポーラ化粧品(正式には公益財団法人ポーラ美術振興財団)」が運営する「ポーラ美術館」に、今回初めて訪れた訳です。




セザンヌ、モネ、ルノアールなど、印象派の画家の作品が中心で、当館の自慢になっています。また、ピカソ、ゴッホ、マチスなどの作品も揃っていて、幅広いコレクションが特徴です。

その他にも日本美術や陶芸、ガラス工芸なども数多くて展示されていました。更に、多彩な展示内容と館内の独特の演出が際立っていて、他にはない独創性を感じました。この美術館の最大の魅力と言えるでしょう。

残念だったのは、天候と時間の関係で、「ポーラ美術館」の魅力の一つである、全長1kmほどの遊歩道を散歩できなかったことでした。晴れた日には、樹々の間からの木洩れ陽が、鮮やかだろうと想像できます。そんな訳で、遊歩道は次回までの「お預け」です。





自由で開放的な雰囲気が良い

ところで、「ポーラ美術館」の特徴として、自由な雰囲気が挙げられます。
例えば、全てではありませんが、多くの作品の撮影が許されていることは、他の美術館にはあまり見られない特徴です。私たち鑑賞者と作品を隔てる柵なども一部だけで、ほとんどの作品が間近で鑑賞できるのも喜ばしいことです。


「ポーラ美術館」は美術観賞の理想形かも

白い壁と大きなガラスが特徴の外観は、美を追求する会社だけあって、美しさとセンスの良さが際立ちました。ひとつ一つの作品は、広いスペースに余裕を持って展示されていて、好感が持てました。強いて指摘するとしたら、作品とその解説パネルが離れていたので、観賞の際、幾分支障があったかも知れません。



印象派の貴重な作品を身近に観られたのは、「ポーラ美術館」ならではと言えると思います。

一方、東京などで開催される最近の美術系の企画展は、混雑が目立ちます。そのため、一つの作品をじっくりと鑑賞できない、間近で観ることができないといった弊害があります。

人々が芸術に関心を持つことは、大いに結構だと思いますが、最近の美術館の実態は、芸術鑑賞の環境としては最悪だと思っています。余談ですが、そんな理由から、ここ最近私は、美術館に足を運ぶことが、極めて少なくなりました。

今回、この「ポーラ美術館」を訪れたのが金曜日でしたから、混雑もなくゆったりと鑑賞できましたが、これが土日、祭日だったらどうなっていたのでしょうか。

美術館側の採算のことを考えると、私が来館したこの日の入場者数では、NGなのでしょうが、この程度の来客数でこの種の「ミュージアム」が成り立てば、何よりだと思うのですが。

昨今の政府の方針をみると、文化芸術に関しては風当たりが強く、残念ながら先行きはあまり良くありません。経営内容が良くない施設は、閉館あるいは統合も検討されるということで、芸術を愛する私たちは軽視されているようです。

このように公共の施設が、将来的に期待できない以上、「ポーラ美術館」のような民間団体にエールを送りたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。
from JDA





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