![]() |
Sabine KroschelによるPixabayからの画像 |
私はここ数年、マイクロソフトのサブスクリプション(以下、サブスクという)である
Microsoft 365 Personalというサービスを利用していました。それまではパッケージ版のOfficeソフトを、それこそWindows95の時代から数年ごとにバージョンアップを重ね使っていました。
余談ですが、Windows95の時代、ワードやエクセルをインストールするのに3.5インチのフロッピー・ディスク(1.44MB)というドライブを使っていたことをご存知ですか。
インストールが完了するまで何枚も入れ替えが必要で、それはそれは時間がかかったものです。当時はCD-ROMドライブを搭載したPCは高価でしたから、わたしのような一般ユーザーは手が出なかったという、そんな時代だったのです。DVDやBlu-Ray Discドライブが一般的な今の時代からすると、何とも想像しがたい話ですネ。
ちなみに、ワードやエクセルなどOfficeソフト全部をインストールするには、10枚程度のフロッピー・ディスクが必要だったと記憶しています。
🔷
さて本題に戻り、その後ときが流れ生活に多少余裕ができると、こんなわたしでも数台のWindowsPCとMacを持てるようになりました。そうなると、それぞれのPC本体にライセンスの関係上、別購入のソフトウェアをインストールしなければなりませんから、今度は時間ではなくて高額のソフト代が掛かるようになりました。
何ともパソコンライフは金食い虫だった訳です。
そんな矢先、ソフトウェア業界に大きな革新が起こります。サブスクやクラウドと言った新たな動きが出始めたのです。それを機にわたしはサブスクという契約形態のMicrosoft 365 Personalをはじめることになったのです。
これなら、一契約をすれば必要なときにどのパソコンからもOfficeソフトが利用でき、その上MacでもOfficeソフトが使えるので非常に経済的で便利だった訳です。
当初は、月払い1,000円ほどで複数のOfficeソフトと1TBのクラウドサービスが使える内容で、尚且つ上記のような使い勝手の良さもあったので、お得感は十分あったのです。
いま風に言えば「コスパ最高!」だった訳です。
私にとって何より嬉しかったのは、MacでもWindows同様にOfficeが使えたことと、こちらはWindowsPC限定ですがデーターベースソフトのAccessが使えたことでした。
ところが、時代の趨勢と言いますか、いま話題のAI機能(Copilot)がOfficeソフトにも搭載されたのです。その結果、たちまち値上げになってしまった訳です。AI機能がプラスされたことによりソフトがさらに使いやすく便利になるのなら、この際値上げも致し方ないかと思ったのですが、その値上げの額が驚きで、以下にMicrosoft 365 Personalの金額を記載しておきますが、信じられませんでした。
<月払い>
1,490円 ⇒ 2,130円
<年払い>
14,900円 ⇒ 21,300円
上記を見るとおわかりのように、年払いでなんと6,400円の値上げなのです。
一瞬、桁を見間違えたかと思うほどに、大幅な値上げだった訳です。
このまま更新日が過ぎてしまったら、21,300円が自動的に引き落とされてしまうことになります。
私の場合、ラッキーなことにパソコン雑誌「日経PC21」の4月号の記事を見て、値上げの情報を知ったお陰で 、危うく自動更新されるのを免れたのです。
ただマイクロソフト側に立って言えば、更新日前であれば旧価格での更新も選択でき、従来通りの利用(ただしAI機能なし)も可能だったのですが。
とは言え、その旧価格での利用は期間限定ということで、いつまで旧価格で利用できるかはその時点では未定で、なんとも心もとない内容だったのです。
そんな訳で、こうした今回のマイクロソフトの対応には、些か不信感を抱かずにはいられなかったのです。
![]() |
Gerd AltmannによるPixabayからの画像 |
恐らく、契約者宛に事前のお知らせや当初の規約等にはその旨が書かれていたのかもしれませんが、それでもあまりに一方的で不親切なやり方だと思います。
AIがいまの時代のトレンドとはいえ、その機能を使わない人たちにとってはそれは無価値に等しく、メーカーサイドの意向を無理やり押し付けられた感じがします。もう少し顧客サイドに立った対応をいただきたかったと思います。
最近では、PCを起動するとマイクロソフトのWebブラウザ「Microsoft Edge」が何度も開くような一方的な設定がなされていたりと、かなりGoogleのWebブラウザ「Chrome」を意識した動向が目立ち、そんなところにもマイクロソフトの焦りのようなものが感じられます。
「長い物には巻かれろ」とは「巨大権力には真っ向から逆らわず、取り敢えず従っておくのが得策」といった一種の処世術を唱えた「ことわざ」がありますが、今回のマイクロソフトの事例はどこかこの「ことわざ」に当てはまるような気がしてなりません。
🔷
さて、そんな訳で、際どいところでMicrosoft 365 Personalを旧価格で利用することはできたのですが、現役を既に離れたいま、「自分にOfficeソフトは必要か?」と翌々考えてみると、結論は「No!」でした。もし必要なら無料で使えるWeb版Officeもあるし、Googleの「ドキュメント」や「スプレッドシート」もあるじゃないかと、考えが膨らみました。
その結果、Microsoft 365 Personalのサブスクをキャンセルしても、いまのわたしにはそれ程支障がないことがわかり、サブスクの契約を解除することに決めたのです。
ただ、以前から趣味の世界で使っていたマイクロソフトAccessはどうしても手放せないので
後日、単発のソフトとしてネットでダウンロード版を購入することに決めました。
ところが、またまたマイクロソフトの購入サイトに対し不信感を抱かずにはいられない事態が起こったのです。
🔷
それは、どうしてこれ程にわかりづらく、混乱を招くような購入サイトにしたのかということでした。
実際、自分自身が購入画面で所定の手順で操作を始めたとき、一瞬脳裏をよぎったのは直前で読んだある購入者の購入レヴューでした。そこにはMicrosoft アカウントでAccessをインストールしようとしたがOffice365に誘導されるようなことが書かれていて、結論としてはその方はインストールができなかった旨のレヴューだったのです。
事前にこの方のレヴューを読んだときは、正直内容がいま一つ掴めなかったのですが、実際に自分で画面操作をしてみると、この方の言っていることがよく理解できたのです。
それは次の図1の画面を見ていただくとよくわかります。
![]() |
図1 Microsoft アカウント画面 |
先ず、購入ソフトのインストールは、マイクロソフトの「Microsoft アカウント」画面(図1)から行うということが基本になります。
そして、今回わたしが購入した「Access」が、その画面左サイドにある「サブスクリプション」の項目にあることが混乱の基なのだと結果的には思いました。そもそも、わたしは今回「Access」をサブスクで購入したのではなくて、「永続版」を単発購入したのですから、「サブスクリプション」の項目に入っている(=隠れている)とは、夢にも思いませんでした。
これでは、わたしには「隠れている」としか思えませんでした。
どうしても「サブスク契約のMicrosoft 365」へ誘導したいというマイクロソフト側の意図が、図1の画面構成から感じとることができました。
そもそも「Microsoft 365」という名称がわかりづらく混乱のもとなのです。
Accessのダウンロード、インストールの方法にしても前述したように複雑に思えてしまうのです。
それもこれも「Microsoft 365」という名称が混乱を招いているのだと思います。
一度、購入手順の全体像がわかると、至って簡単な手順だということがわかります。
ところが、何度も言うように、諸悪の根源は「Microsoft アカウント」画面の左サイドメニューにある「サブスクリプション」の項目の中に、購入した単発のソフト「Access」が配置されていることなのです。
ネットを利用していると、ネットでの解約や退会の際の手続き画面にたどり着けず、わかりにくいという指摘をよく聞きますが、今回のケースはそれとよく似ています。
入会を勧める画面は呆れるほど出てきても、退会画面は何層も深いところに潜んでいるのがネットの世界なのですネ。
![]() |
Augusto OrdóñezによるPixabayからの画像 |
度重なる今回のマイクロソフトの心ない対応には、30年来Windows95をはじめとするマイクロソフト製品を愛用してきたユーザーの一人としては、何とも残念でなりません。
GAFAなどとの熾烈な競争があるにしても、巨大組織マイクロソフトにはIT業界の王者としての余裕と寛大さがあってほしいと思います。
マイクロソフトの元創業者であるビル・ゲイツ氏を尊敬している一人として・・・
最後までお読みいただきありがとうございました。
from JDA