2022年10月7日金曜日

新井くんへの謝罪と感謝 〜Jazz vs. Classic 〜

わたしはかつて、神奈川県にある私立の中高一貫校に通っていました。
今回はそのときの同級生の一人だった新井くんへの、半世紀以上前になるあの時の失礼に対する遅ればせの謝罪メッセージです。

実は、当時の新井くんはとてもシャイで気の優しい少年だったので、わたしの当時の失礼と心無い暴言を持前の寛容さで受け止めて、「気にしてなんかいないよ」なんて軽く言って、とっくの昔に受け流してくれていたかも知れませんが、私の中ではずっとその失礼に拘ってきました。

正直なところ、高校を卒業し、大学、社会人と時が経ち、いっときそんな気持ちが消えかけた時期もありました(すいません)が、いつか機会があれば謝意を伝えたいと思っていました。ネットという便利なコミュニケーションツールを得て、いまここにこうした手段で伝えることができるのは、私にとってはとてもラッキーなことだと思います。
しかしながら、君にとっては好ましいかどうかはわかりませんが、どうかお許しください。

LoggaWigglerによるPixabayからの画像


思えば、高校生の頃だったと思いますが、その頃のわたしはレコード鑑賞部に入っていて、クラシック音楽をさもわかったような顔をして聴いていたように記憶します。
日本のグループサウンズ、洋楽POPS、ROCKそしてクラシック音楽と、音楽全般好きでしたが、当時は何故かジャズだけは敬遠してました。

一方、新井君が当時何部に入っていたのか覚えていませんが、ジャズが大好きだったのはハッキリと覚えています。そう、普段目立たなかった君がジャズのこととなると熱く語っていたのが印象的でした。

そんな君に対し揶揄うようにわたしは「ジャズなんか音楽じゃない!」なんて残酷なことを言ったのでした。それに対して新井くんはチョッとこまった様子だったけれど、反論することもなく「よわったな〜」という顔をしていましたね。

WikiImagesによるPixabayからの画像


そんな時、単純だったわたしは、クラシック音楽の優位性を主張し、あたかも勝ち誇ったかのように、優越感に浸っていたのでした。
今になって思えば、新井くんにとって当時のわたしは、実に浅はかで思いやりの無い最低なヤツだったでしょう。
自分自身でも、あの頃の自分は一番やな奴だったと思うから。

ただ、チョッと言い訳がましいと思いますが、当時の自分はユーモアと、冗談半分の気持ちでした。悪気は無かったと言っても、言われた方の身になってみれば、とても辛く、とんでも無いことですよね。

そう、あの頃の自分は相手の身になって考えるということができなかった。
その点新井くんはジッと耐えることができたのだから、わたしよりズッと大人だったのだと思います。

あの頃を思い出すと、なんとも気恥ずかしく情けない。今ここにデリートキーがあったらあの時代を削除したいところなんですが・・・


果たしてこのメッセージが君に届くかどうかは分からないけれど、懐かしく思ってくれたら幸いです。そして、あの頃のわたしの失礼をどうか許してください。
同時に、あの時の新井くんとの会話がなかったら、ジャズへの関心は今でもなかったと思っています。
ビル・エヴァンス、マイルス・デイビス、そしてジョン・コルトレーンなど、彼らの名曲名演を知ることができたのも新井くんのお陰です。

DanielによるPixabayからの画像


今思えば、あの時の新井くんのジャズに向けた語り(今なら差し詰め解説にあたるかも)を真剣に聞いていればと悔やんでいます。
なぜなら、そんな語り合いができる相手はそうそういないからです。

いまのわたしなら、君と対等とはいかないまでも、恐らくそこそこのジャズ談議が交わせるのではと思っています。なんとも愚かでした。


ところで、当時の新井くんのご贔屓アーチストは誰だったのでしょうか。
あの時代だからバド・パウエりやMJQ、あるいは妥当なところでやはりマイルスか?
そんなことも訊ねたかったところです。

ちなみに、現在のわたしはビリー・テーラーなる当時(1950年代から活躍)活躍していたピアニストをApple Musicで発見し、只今お気に入り中です。
ジャズに詳しい新井くんなら、ビリー・テーラーのこと当時から知っていたでしょうね。

それでは、ご機嫌よう!
謝罪と感謝の意を込めて


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