久々に神奈川県立図書館 へ
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| AlexaによるPixabayからの画像 |
先日、抱えていた幾つかの懸案事項が無事解決し、晴れた気持ちで久々に図書館に行ってきました
わたしがいつも足を運ぶのは、紅葉坂にある神奈川県立図書館です。
交通機関と徒歩で片道1時間程度ですが、なかなかの運動量になり、程よい距離だと思っています。(万歩計で片道4000歩ほど)
そんな神奈川県立図書館、実は昨年(2022年)9月に新装オープンしています。
わたしは新型コロナの影響で当館が一時閉館していたこともあり、しばらくはご無沙汰でした。
開館後も1、2回来館しただけで、外出をできるだけ控える、当時の言葉で「自粛」をしたまま現在に至っていました。
ですから、この日はほんとうに久々の図書館でした。
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今回新築された新館は「本館」と呼ばれ、従来の棟と隣接して建てられているので、場所的にはほとんど変わりません。
現時点ではここだけがオープンしています。
従来「本館」だった棟は「前川國男(注1)館」、また、これまで「新館」だった棟は「収蔵館」と、それぞれ名称を変えて存続するようですが、現在は2棟ともリニューアル中で一般の人は入れません。
新「本館」の印象について
先ずは、建物本体と場所についてです。
これまで青少年センターや県立音楽堂は知っていても、県立図書館は何処かわからないという人が多かったのではないでしょうか。
それくらい目立たない場所にあって、地味な存在でした。
従来の2棟(旧本館と旧新館)は紅葉坂通りから多少奥まっていたので、分かりづらかったのも事実です。
今度の場所は従来棟と隣接していますが、紅葉坂通りに面しているので、歩道を歩いていればすぐ目に付きます。
下の写真では分かりづらいですが、外観は白を基調にしていて、今までよりもガラス面が多いので開放的です。
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| 紅葉坂通りに面したNew「神奈川県立図書館」本館 |
一見して図書館とわかる建物ではありませんが、「神奈川県立図書館」と彫られた立派な石柱が道路に面して立っているのですぐ分かります。
入口を入ると建物内は、外から想像する以上に広く、椅子や机が余裕のスペースで配置されていて、落ち着いた空間になっています。
一階には今流行りの喫茶スペースもありますが、某**Coffee(注2)ではありません。
ちなみに、一杯注文してみましたが、コーヒーは注文するとその場で淹れてくれる方式なので多少時間がかかります。
味の方はマアマアといったところでした。
際立つ運営面での改善点
これについてはかなりの改善点があったように私は感じました。
真っ先に感じたのは、学習スペース(机など)が広くなったことです。
この点に関しては、筆者の別ブログ「JD Library 憧れの図書館とは」でも訴えてきたことですが、一般的に日本の図書館は、書籍の充実を第一主義としているのか、学習スペースが疎かにされてきた印象でした。
アンケート等での要望だったのでしょうか、机が大きくなり、隣との距離も確保されているので圧迫感がありません。それが複数エリアに配置されているので、ある程度混み合っても空席を探す苦労は今のところ無さそうです。
このスペースに関しては、映画や雑誌で見かける欧米の図書館との決定的な相違だと感じていたので、実現に至って非常に嬉しく思います。
次に評価できるのが、マイバックやパソコンの持ち込みが自由になったことです。
従来は、マイバックはロッカーへ、パソコンはその都度受付で申告していたと思いますが、
その手間が省けました。
これに関しては、わたしたち利用者側の性善説にたった図書館側の施策と思われますので、わたしたち利用者は不正や心無い行為がないよう、ルールを厳守して行かなければと思います。
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| ChenによるPixabayからの画像 |
ただ、劣化した面もあります。
これ点は、前述の現在改装中の「前川國男館」や「収蔵館」が本格運用されれば改善されることかも知れませんが、視聴覚資料(音楽CD、レコード等)については、一般書籍のように現物が棚に陳列されていないため、所蔵資料データーベースにアクセスし、コンテンツを検索確認した上で予約しなければなりません。
館内の受付で直接貸し出し依頼した場合などは、係員に収蔵庫まで取りに行ってもらわなければなりません。
これは時間と労力の無駄で、非効率的です。
係員、利用者の両方にとってもストレスかと思います。
このことは大きな改善課題と感じました。
できるだけ早い改善を切に願いたいところです。
また、上述の問題に関連して、次の事柄にも影響があることも併せて指摘しておきたいと思います。
検索はみなに優しいとは言えない
「ググる」なんて新語が一般化し、パソコンによる検索という操作が、今や誰でもできて当たり前と思われる時代に、わたしたちは生活しています。
そして、図書館やブックストアーでは、書籍の検索(システム)機が設置されています。
確かに、広い館内あるいは店内を探し廻らなくても、端末の画面から目的の書物を検索すれば予約などができる訳で、便利なことは確かです。
しかしながら、わたしたちが図書館やブックストアーに脚を運ぶのは、欲しい本が既に決まっているときだけとは限りません。
決してそんなことはないのです。「なにか面白そうな本はないか?」とか、まったくの本との偶然の出会いを期待してのこともあるでしょう。
そんなときは、検索(システム)機に頼ることはできません。最も原始的な方法である本棚を順に見て行くのです。図書館においては特にその方法が一番だと思います。時間と手間はかかりますが、それも楽しみの一つになるのです。
利用者にとっては、現物が目の前にあることが何よりありがたく、分かりやすい訳ですから。
さらに資料検索においては、二つのケースが考えられます。
一つは「世の中には存在するが、当該データーベースにはあるかどうかを調べる検索」と、もう一つは「検索キーワードに近い資料は、どんなものがあるのかを調べる曖昧検索」です。
一つ目の検索結果は「ある無し」で簡潔ですが、二つ目は複数の検索結果が想定されます。
何れにしても必要なのは、探し物に対する一定程度の事前知識(そのコンテンツの存在を前もって知っているという)を持っていることです。
しかしながら現状、視聴覚資料については収納庫に収められていて、私たちの面前にない訳ですから、来館者はPC画面上の資料一覧表(イメージ画像なし)を眺めても、目的のものかどうかの判断はし辛い訳です。
やはり、目の前の本棚、ラックなどに現物の本やCDが並んでいる方が、探しやすく意外な発見ができるかもしれないのです。
図書館を訪れる利用者の目的は人それぞれです。特定の書籍を探す人もいれば、漠然とした目的で訪れる人もいるでしょう。
新刊や比較的新しい書籍ではなく、過去に出版されていて極めて珍しい本との思いがけない出会いは、図書館の存在価値をますます上げて行くと思います。
ブックストアーでは決して味わえない、こうした偶然で貴重な出会いを期待して図書館を訪れる人も少なくないと思います。
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| Gerd AltmannによるPixabayからの画像 |
仮に検索システムから、目的物を探せたとしても、現状の配置方法では思いがけないものを発見という、図書館ならではの醍醐味(魅力)は実感できないと思います。
現状のデーターベースの検索結果画面には、書籍の表紙やCD、レコードのジャケット画像もありませんから至って無味乾燥です。今の時代、イメージ画像は必須だと思います。
この点に関しては早期の改善を期待したいところです。
図書館の役割と神奈川県立図書館に期待すること
全体を通しては絶賛とまではいきませんが、何度も脚を運びたくなるような好印象をもちました。
前述の拙者のブログ「JD Library 憧れの図書館とは」でも、行列ができるような図書館には行きたくない旨の意見を申し上げてきました。一時の流行に左右されることなく、地味でありながらも必要不可欠で持続性ある存在であってほしいと思います。
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| PexelsによるPixabayからの画像 |
図書館の存在意義を考えたとき、宣伝までして集客をするようなことは必要ないと思ってきました。そう考えると、今回このブログで新しくなった「神奈川県立図書館」を取り上げることには、ブログも一種の宣伝でしょうから、相反することをしてるようで幾分躊躇いはありました。
更に、お気に入りの場所やお店を、人に教えたくない的な心境と被るところもありました。
しかしながら、公共機関や法人関連の建物では、そこで何をしているのか一般人には分からない施設が多々あって、税金の無駄遣いではないかと不審に思うことがあります。これは行政にとっても、わたしたち住民にとっても放置すべき問題ではないと思います。
行政による情宣活動と住民の関心(好奇心)を高めることで、こうしたマイナー施設を有効利用できるようにしていくことも必要です。それには宣伝が有効ですが、民間企業が行っているような利益優先のコマーシャルではなくて、文字通り「知らせる」という意味での情宣活動が求められると思います。
公共施設は、とかく一部の人たちの利用に偏向していると感じます。その原因の多くは住民にその存在を知られていないからです。
神奈川県の貴重な公共施設が一部の人たちの専有であってはいけないと思います。そうかといって、大いに宣伝して実態が商業施設化するのもいただけません。
とりわけ、私自身が身近に感じている図書館に、今回は焦点をあてて考えてきましたが、どの公共施設も同様だと思います。
必要な時に、必要なことが、心地よく達成できるような図書館(公共施設)であって欲しいと願います。
現在、新生「神奈川県立図書館」は新築された本館以外は、全館がスタートした訳ではありませんが、新本館をみる限り建物の概要、運営上のポリシーには期待できそうです。
これまでの「図書館の問題点を洗い出し、検討し、改善し」の一連の痕跡を見たような気がしました。
現在改装中の「前川國男館」や「収蔵館」がこの先、どのような形で私たちに一般公開されるのかが、今から楽しみです。
JDA 2023.03.22
注 )解説
(注1)前川國男 :県立図書館旧本館を設計した建築家。
世界的建築家ル・コルビュジエに師事。
(注2)某**Coffee :猿田彦珈琲 神奈川県立図書館店





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